道具・材料

工作道具の使い方①:ハサミ

工作道具の基本中の基本、ハサミの使い方について学びましょう。
え?ハサミの使い方なんか知っているよ。チョキチョキするだけでしょ。って思いませんでした?

でも、もし次の一つでも知らないことや気づきがあったら、この記事を最後まで見る価値がありますよ。

ハサミには右利き用と左利き用がある

はじめに、利き手とハサミの関係を見てみます。
右利き用のハサミでは、親指を入れる方の刃が手前に来ていて、その刃は紙を切る時に紙の下に隠れます。そして上に出ている刃にそって紙が切れる。これは普通の光景です。

今から、右利き用のハサミを左利きの子が使ってしまう場合のイメージをお見せします。
ハサミをそのまま左手に持ち変えてみます。
そうすると、上に出ている刃の奥側で紙が切れることになります。それがどこなのかハサミに隠れて見えなくなりました。

ハサミの刃の厚さは数mmあるので、それだけ誤差ができてしまいます。これは大きな差だと思いませんか?
このように、利き手にあっていないハサミを子供に渡してしまうと、そもそも狙ったところを切ることができないので、作業も難しいし当然上達もしません。
ハサミには、どちら用とは書かれていないので、閉じた時に利き手側の刃が上にあると正しい。と覚えて利き手にあったハサミを使いましょう。

指をいれる穴の大きさは同じがよい

親指以外の指が全て入る、穴が大きいタイプのハサミもありますが、僕は穴の大きさが同じタイプをおすすめしています。
理由は3つあって、1つめは裏表なく使えるという点です。
工作中にハサミを取る時、穴の形が違うハサミだと、わざわざひっくり返さないと持てないということが起きます。こういう細かいストレス、気になりませんか?

同じ大きさの穴のハサミは取る手間がかからないので、作業の効率があがります。

2つめは、開く時の動きが安定すると言うことです。

基本の持ち方は、片方の穴に親指を、もう片方の穴に中指と薬指を入れます。人差し指は、はさみの外側で支える役割をしていて、全ての指がピッタリ穴にフィットしている状態です。
薬指と小指でハサミを挟んで、ハサミを開く時に小指の力を使うことで指の動きイコールハサミの動きになります。

一方で、穴の中に親指以外の全ての指を入れる場合は、開く時は中指と薬指の甲の部分を使って押さないといけません。
この時に輪の中の空間に少し隙間ができてしまっているんです。そのため、指の動きイコールハサミの動きにならず、無駄な動きが発生します

でも、全部の指で握った方が力が入るのでは?という考えもあると思います。確かにそのような長所もありますが、後から解説するハサミの根本を使うことを習慣にすれば、ハサミを握る力はあまり必要としないので大丈夫です。

そしてハサミはしっかりと握りすぎないようにしましょう。力を入れすぎると勢い余って切りすぎるのでリラックスした状態で持つことが大切です。
そして最後の1つ、これが一番伝えたいことですが、穴の大きさが同じハサミは標準的な形だということです。
工作が得意になると、学校や親戚の家など自宅以外の場所でハサミを扱う機会に出会います。
子供にとって、練習の成果を発揮する絶好の機会です。
きっとワクワクしつつも緊張していると思いませんか?

その状況で、その場にあるハサミに慣れやすいというところがポイントです。標準的な形に慣れていれば、現場にどんな形のハサミがあってもすぐに使いこなせるようになります。

ということで、ハサミは穴の大きさが同じタイプを選びましょう

人に渡す時に刃を持たなくてよい

相手の安全を考えて、自分が刃の方を持って渡すという心遣いは、ほとんどの日本人にとって常識です。
でも、自分が刃の方を持つと言うことは、持ち替える一手間がかかるし自分が怪我をするリスクもないとは言い切れません。
相手の安全を考えるということ自体は、おもいやりの文化として大切にしながら、僕からは一番早くて安全な方法として、机や床にそっと置いて渡す方法をおすすめします。

状況に合わせてより良い方法をみつけていきましょう。

紙を切る時はハサミを動かさない

これは衝撃的な内容かもしれませんね。
折り紙・新聞紙・コピー紙などの薄い紙は、チョキチョキしなくてもまっすぐ切れます。
また、工作用紙やダンボールを切る時は、チョキチョキはするけれど、主に紙の方を動かしてハサミの位置を動かさないことで、狙った線を正確に切っているんです。
ハサミは体の中心よりもやや利き手側で構えていて、切る材料を体の中心に持って来ます。
この方法で、ハサミを安定させながら、紙を動かして切りましょう。

慣れてくると、両手を使って紙とハサミを動かしながら、角や円など複雑な形を切れるようになります。
まるでピアノのように、初心者は利き手だけで演奏するけれど、両手を使えるようになると演奏の幅が広がるのと同じです。

このちょっとしたコツで、紙を切るのがずっと楽しく、かつ正確になるので、手先もどんどん器用になっていきますよ
みなさんも、公式LINEから無料で受け取れる図面などを使って、たくさん練習をしてコツを掴んでください。

先端ではなく根本と使う

僕は普通サイズのハサミでは、先端を使いません

みなさんはハサミを使う時、根本と先端で使い心地に違いを感じたことはありますか?実は、ハサミは根本と先端で切る感触が全く違うんです。根本は指の力を必要とせず、さらに細かい作業に適しています。それに対して、先端は指の力が必要で、大雑把な動きになりがちです。

みなさんはダンボールを切る時に指が疲れてしまったり、勢い余って切りたくない部分まで切りすぎてしまった経験はありませんか?
これは大抵、ハサミの先端を使っているからなんです。ハサミの先端で材料を切ると力が必要で、一旦切りはじめると素早く進むのでコントロールが難しいんです。

ハサミの根本で切ると、ピタリと止めるのは簡単ですが、先端を使うと行きすぎてしまいます。特にカーブを切る時や膨らんでいる部分を切る時は、切りすぎてもやり直すことができますが、へこんでいる部分を切る時は特に注意が必要です。
この部分を切りすぎると、修正ができません。

またハサミの先端を閉じ切った場所が紙の途中だと、最後のところが破れてしまうんです。

この対策も同じ。ハサミを使う時は、刃の根本から中間部分を中心に使えば大丈夫です。これだけで、より器用にコントロールできるようになります。

このように、ハサミを1mm単位でコントロールすることが、作品の仕上がりに大きく影響します。みなさんも、このテクニックを試してみてください。

細かい作業には先の尖った小さいハサミを使う

穴をくり抜く時の最初のひと刺しや、円を内側から切って行く時には、先端が尖った細くて小さいハサミが便利です。

大きいハサミではできない細かい作業ができるのと、幅が薄いのでハサミの厚さで、紙を破いてしまう心配もありません。
また、最後までハサミを動かした時に先端がどこまで届くのかもわかりやすいです。
例えばのりしろ部分を切る時などで、切り始めの位置を調整することで、先端まで使いきる作業も得意。これは細かい作業で頼りになります

以上がハサミについての解説です。

まとめると
・ハサミには右利き用と左利き用がある
・指をいれる穴の大きさは同じがよい
・人に渡す時に刃を持たなくてよい
・紙を切る時はハサミを動かさない
・先端ではなく根本と使う
・細かい作業には先の尖った小さいハサミを使う

自分に合ったハサミを使って両手でリズミカルに正確に切りましょう。

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